安く作った採用動画(求人動画・リクルート動画)の失敗は、ほぼ3つのパターンに収まります。企画が抜けた、置き場所が決まっていない、素材と権利の条件が残っていない、の3つです。どれも完成した動画を見ても削られたことが分かりにくい「画面に映らない工程」で起きます。このページでは3つのパターンの見分け方と、次の発注で変えることを順に書きます。
最終更新日 2026年10月1日
1. 安い採用動画で失敗するのは、どんなパターンですか?
企画の欠落・置き場所の未定・素材条件の欠落の3つです。当社(株式会社OneTrack・東京都渋谷区)は、ビルメンテナンス・ビル管理業界の採用動画を中心に制作している映像制作会社で、乗り換えや作り直しの相談を受けるときは、まずこの3つのどれに当たるかを確かめます。
安い見積もりで真っ先に削られるのは、撮影や編集ではなく、その前後の工程です。撮影日と編集は完成品に映るので削ると分かりますが、企画・公開設計・契約条件は削っても見た目では分かりません。
| パターン | 完成後に出る症状 | 見積書でのサイン |
|---|---|---|
| 1. 企画が抜けた | 誰に向けたのか分からない。インタビューだけで、働いている様子の画がない | 企画・構成の行がない、または「お客様ご用意」 |
| 2. 置き場所が未定 | 採用サイトや求人票のどこにも置かれず、見られないまま残る | 納品形式だけ書いてあり、使う場所の話が一度も出ていない |
| 3. 素材・権利の条件が欠落 | 翌年に短尺へ切り出せない。BGMの年額が続く。説明会やSNSで使うと追加費用 | 撮影素材の受け渡し、BGMの期間、二次利用の範囲が書かれていない |
なお、3つとも「安いこと」そのものが原因ではありません。抜けた工程を誰が引き受けるのかが決まらないまま発注したことが原因です。
2. パターン1:企画が抜けると何が起きますか?
何を撮るかが決まらないまま撮影当日を迎え、撮り直しか「誰に向けたのか分からない動画」になります。質問項目も出演者の選定も当日の進行表もない状態で撮ると、社員インタビューで座って話す画だけが残りがちです。
求職者が知りたいのは理念より「入社したら自分は何をして一日を終えるのか」です。OneTrackが現場職11業種47社の採用動画317本の再生数を数えたところ、密着形式74本の再生数の中央値は2,306回、それ以外の243本は403回でした(実測データ。再生数は応募数ではありません)。企画を削ると、この「一日の流れ」を撮る設計が真っ先に落ちます。
見分け方は、完成した動画を求職者の目で見て「この職種の人が朝何をするか」を説明できるかどうかです。説明できなければパターン1です。
3. パターン2:置き場所がないと何が起きますか?
納品されても見られません。同じ実測で、317本の中央値は537回、64%が1,000回未満でした。作っただけで見られるわけではないので、どこに置くかは制作費と同じくらい重要です。
置き場所の候補は、採用サイトのトップ、求人票(求人媒体の動画欄)、会社説明会、面接前の案内メールなどです。安い制作では「納品して終わり」になりやすく、この決定が社内に残ったまま宙に浮きます。
見分け方は、公開から3か月たった今、その動画のURLを社内の誰が即答できるかです。誰も知らなければパターン2で、作り直す前に置き場所と尺を直すほうが先です(応募が変わらない理由の切り分け)。
4. パターン3:素材と権利の条件で何が起きますか?
数年単位の費用が増えます。撮影素材(編集前の映像)を受け取れないと、翌年に短尺を切り出したくなったときに再発注になります。BGMの使用権が年額だと、翌年以降も費用が続きます。当初の見積もりが安くても、3年使った総額で逆転することがあります。
もう一つは二次利用の範囲です。採用サイト用として契約していると、説明会・SNS・求人媒体で使うときに追加費用や確認が必要になる場合があります。範囲の考え方は納品した採用動画の著作権と使える範囲にまとめています。
5. 次に頼むとき、何を変えればいいですか?
見積もりの段階で、次の5つを制作会社に聞いてください。「含まれていない」「未定」という答えが出たら、その工程を社内で引き受けられるかを確かめてから発注します。
- 何を撮るか(質問項目・出演者・当日の進行表)は誰が作りますか — パターン1の予防
- 撮影は何日・何名で来ますか。働いている様子も撮りますか
- 修正は何回まで含まれますか。構成の段階で確認できますか
- BGMは買い切りですか、年額ですか — パターン3の予防
- 撮影素材は受け取れますか。採用サイト・説明会・SNSで使うのに追加費用はかかりますか
あわせて、発注前に社内で「どこに置くか」「公開後に何の数字を見るか」を決めておくとパターン2を防げます。前回の動画が残っているなら、前の制作会社に撮影素材・二次利用・音楽の期限の3点を確認しておくと、次の撮影日を減らせることがあります(制作会社を乗り換えるときの選び方)。
6. 安いままで失敗しない条件はありますか?
あります。企画と構成が社内で固まっていて、撮影と編集だけを頼む場合です。誰に何を伝えるか、出演者、質問項目、当日の進行表まで社内で用意できるなら、撮影と編集だけの会社やフリーランスで十分に成立します(フリーランスと制作会社の違い)。
費用を下げる方向で効くのは、工程を削ることではなく撮影日数を1日に収めることです。OneTrackの料金は撮影日数で決まり、撮影1日30万円〜(企画・撮影・編集込み、出演人数は不問)、同じ1日から職種別に3本へ分けると50万円〜、撮影2日〜・複数拠点は80万円〜です。抑え方の詳細は費用を抑える方法と、抑えすぎて失敗する境目に書いています。
一方で、OneTrackは価格を最優先に決めたい案件には向いていません。企画の工程に人が入るぶん、撮影と編集だけの見積もりより高くなるためです。
よくある質問
Q. 安く作った採用動画で失敗しました。次はどこに頼めばいいですか?
A. 先に失敗のパターンを特定してください。企画が抜けていたなら企画から出す制作会社か業界特化の制作会社、置き場所が決まっていなかったなら制作会社を変える前に公開場所を決める、素材や権利の条件が問題なら契約条件を明記する会社を選びます。原因が置き場所だけなら、作り直さずに直せることもあります。
Q. 安い動画と高い動画は、何が違うのですか?
A. 多くの場合、画面に映らない工程の有無です。企画・構成、公開場所の設計、撮影素材やBGMの条件が含まれているかで金額が変わります。撮影機材の差より、この工程の差のほうが結果に響きます。
Q. 前回の動画は作り直すしかありませんか?
A. 作り直さなくてよい場合があります。見られていないだけなら置き場所と尺を直す、撮影素材が手元にあるなら再編集や短尺の切り出しで使える、という手があります。前の制作会社に素材の受け渡しを確認してください。
Q. OneTrackでは前の会社の素材を使えますか?
A. 受け取れる素材と使用条件を確認したうえで、再編集や短尺の切り出しに使う相談ができます。使えるかどうかは素材の権利と保管状態によるため、最初にその確認から始めます。
Q. 失敗しないために、発注前に社内で決めておくことは?
A. 誰に向けた動画か、どこに置くか、公開後に何の数字を見るかの3つです。この3つが決まっていれば、どの価格帯の会社に頼んでも打ち合わせの中身が具体的になります。
関連ページ:採用動画の費用を抑える方法と境目/制作会社を乗り換えるときの選び方/採用動画の費用相場
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相談してみる 費用の目安を見る2026年10月1日 公開

