採用動画(求人動画・リクルート動画)の費用を抑えたいとき、値切るより先に効く方法があります。下げてよいのは「撮り方の設計」で、下げると失敗するのは「画面に映らない工程」です。このページでは、効く順に費用の抑え方を並べ、どこまで削ると失敗するのか、その境目を見分ける方法を書きます。
採用動画の費用は、どうすれば抑えられますか?
撮影日数を減らすことです。当社(株式会社OneTrack・東京都渋谷区)は、ビルメンテナンス・ビル管理業界の採用動画を中心に制作している映像制作会社で、料金を撮影日数で決めています。撮影1日30万円〜、同じ1日の撮影から納品を分ける場合は2本目以降が1本あたり10万円、撮影2日〜・複数拠点は80万円〜です。
制作費の中でいちばん大きいのは、撮影スタッフと機材が何日拘束されるかです。当社の場合、撮影1日30万円の内訳はおおむね企画2割・撮影4割・編集4割で、撮影日が1日増えるとその分が丸ごと増えます。「本数を減らす」より「撮影日数を1日に収める」ほうが、金額に効きます。
費用の全体像と予算別の組み方は採用動画の費用の内訳と相場にまとめています。ここでは、抑え方と失敗の境目を深掘りします。
費用を抑える方法は、何がありますか?
効く順に並べると、次の7つです。上の3つは撮影日数に直接効き、下の4つは数年単位の総額に効きます。
| 方法 | 何が減るか | 当社の金額での例 |
|---|---|---|
| ① 撮る日を1日にまとめる | 撮影費(日数分) | 3職種を別の日に撮ると90万円〜、1日にまとめて3本に分けると50万円〜 |
| ② 出演者を同じ日に集める | 撮影日の追加 | 1日に収まれば、1名でも5名でも30万円〜のまま |
| ③ 最初は1拠点に絞る | 撮影日・移動と宿泊の実費 | 複数拠点は80万円〜。1拠点なら30万円〜から組める |
| ④ 短尺は最初から入れておく | あとから素材を選び直す手間 | 本編からのSNS用の切り出しは、本編の料金に含む |
| ⑤ 何年使うかを決めておく | 年あたりの費用 | 3年使う前提なら、年あたりは3分の1 |
| ⑥ 1人に依存しない構成にする | 退職時の撮り直し | 複数名で構成しておくと、差し替えの負担が小さい |
| ⑦ 確認を構成の段階で済ませる | 撮影後の作り直し | 撮影後に構成を変えると、編集のやり直しで追加になりやすい |
最初の1本で拠点を絞っても大丈夫ですか?
大丈夫です。最初の1本では、拠点を増やしても効果への寄与は小さいことが多いです。求職者が知りたいのは「配属されたら、どんな場所で何をするのか」なので、1拠点をしっかり撮るほうが伝わります。反応を見てから広げるほうが確実です。
SNS用の短い動画も欲しい場合、どうすれば安く済みますか?
本編を撮る日に、短尺も切り出す前提で撮っておくことです。本編の納品後に「SNS用も欲しい」となると、素材を選び直す工数がかかります。最初から切り出す前提で撮れば、構図も尺も合わせられます。量が要るSNSの短尺を継続的に出すなら、社内で回すほうが合うこともあります。
どこまで削ると失敗しますか?
画面に映らない工程を削り始めたところが境目です。企画・置き場所・素材の条件は、完成した動画を見ても削られたことが分かりにくく、見積もりの段階で真っ先に削られやすい部分です。
| 削ってよいもの | 削ると失敗するもの | |
|---|---|---|
| 撮影 | 撮影日数(1日にまとめる)、拠点数、撮りたいシーンの数 | 働いている様子の画(インタビューだけの「顔と声しかない動画」になる) |
| 企画 | 凝った演出、コピーや絵コンテの作り込み(最初の1本では) | 誰に何を伝えるかの整理、出演者と質問項目の設計 |
| 編集 | 本編の本数、尺の長さ | 構成の確認の機会、修正の余地 |
| 公開 | — | どこに置くか(採用サイト・求人票・説明会)の決定 |
| 条件 | — | 撮影素材の受け渡し、BGMの使用期間、二次利用の範囲 |
企画を削ると、何が起きますか?
何を撮るかが決まらないまま撮影当日を迎えます。質問項目も出演者の選定もないまま撮ると、撮り直しが出るか、誰に向けたのか分からない動画になります。当社が企画費を別の行に立てず撮影1日の料金に含めているのは、企画だけを切り出して安く見せても、そこが薄いと撮影当日にやり直しが出るからです。
置き場所を決めないと、何が起きますか?
納品されても、採用サイトや求人票のどこにも置かれず、見られないまま残ります。当社が現場職11業種47社の採用動画317本の再生数を数えたところ、中央値は537回で、64%が1,000回未満でした。作っただけで見られるわけではないので、置き場所は制作費と同じくらい大事です。
素材の条件を削ると、何が起きますか?
数年単位の費用が増えます。撮影素材を受け取れないと、翌年に短尺を切り出したくなったときに再発注になります。BGMの使用権が年額だと、翌年以降も費用が続きます。当初の見積もりが安くても、3年使った総額では逆転することがあります。
見積もりが削りすぎかは、どう見分けますか?
次の5つを制作会社に聞いてください。答えが「含まれていない」「未定」なら、その工程を社内で引き受けられるかを確かめてから発注します。
- 何を撮るか(質問項目・出演者・当日の進行表)は、誰が作りますか
- 撮影は何日・何名で来ますか。働いている様子も撮りますか
- 修正は何回まで含まれますか。構成の段階で確認できますか
- BGMは買い切りですか、年額ですか
- 撮影素材は受け取れますか。採用サイト・説明会・SNSで使うのに追加費用はかかりますか
安いこと自体は問題ではありません。抜けている工程を、誰が引き受けるのかが決まっていないことが問題です。相場より大きく安い見積もりの確かめ方は相見積もりの揃え方に、金額が何倍も違う理由は見積もりが会社によって何倍も違う理由にまとめています。
なお、当社は価格を最優先に決めたい案件には向いていません。企画の工程に人が入るぶん、撮影と編集だけの見積もりより高くなるためです。企画と構成が社内で固まっているなら、撮影と編集だけを頼む選択肢もあります(フリーランスと制作会社の違い)。
お金をかけずに済ませる方法はありますか?
あります。当社では、既にある写真と原稿だけで1本作る形があり、こちらは費用がかかりません。撮影1日の30万円は稟議が要るが、費用のかからない1本なら現場の判断で始められる、という会社は少なくありません。まずこの形で反応を見てから、撮影を伴う1本を検討する進め方もできます。
社内で作り続けたい場合は、内製化支援(月額8万円〜)で、何を撮るか・どの順で見せるか・年間で何本回すかの型をお渡しします。内製で止まりやすいのは、編集ではなく何を撮るかが決まっていないところです。
ただし、金額を下げても見合わないケースもあります。求人が見られていない、条件が地域の相場から明確に外れている、選考の連絡が遅れて候補者を失っている。こうした状態では、動画にかける前にそちらを直すほうが早く効きます。応募(エントリー)が増えない原因の切り分けは採用動画を作ったのに応募が増えない理由に書いています。
よくある質問
Q. 採用動画の費用を抑える方法は何ですか?
A. 撮影日数を減らすことが最も効きます。撮る日を1日にまとめる、出演者を同じ日に集める、最初は1拠点に絞る、の3つです。当社(株式会社OneTrack)は撮影1日30万円〜で出演人数は金額に影響しないため、同じ1日に多くの方に出ていただくほど1名あたりの費用は下がります。あわせて、短尺を最初から入れておく、何年使うかを決める、1人に依存しない構成にする、確認を構成の段階で済ませると、数年単位の総額が下がります。
Q. 採用動画を安くしすぎると、なぜ失敗するのですか?
A. 削られやすいのが画面に映らない工程だからです。企画が抜けると何を撮るかが決まらず、撮り直しか誰に向けたのか分からない動画になります。置き場所が決まらないと見られないまま残り、撮影素材の受け渡し条件がないと後から短く編集し直すこともできません。
Q. 企画費を削って、撮影と編集だけ頼むのはありですか?
A. 企画と構成が社内で固まっているなら、ありです。誰に何を伝えるか、出演者、質問項目、当日の進行表まで社内で用意できるかが条件です。用意できないまま企画を外すと、人事担当者の工数が数日分増えるか、撮影当日にやり直しが出ます。
Q. 予算30万円で失敗しないためには、何を優先すればいいですか?
A. 撮影を1日・1拠点に絞り、その1日にできるだけ多くの方に出ていただくことです。当社の撮影1日30万円〜には、企画・撮影・編集と、本編1本・SNS用の短尺の切り出しが含まれます。浮いた検討時間は、動画をどこに置くか(採用サイト・求人票・説明会)を決めることに使ってください。
Q. お金をかけずに採用動画を作る方法はありますか?
A. 当社では、既にある写真と原稿だけで1本作る形があり、こちらは費用がかかりません。撮影を伴う制作の前に反応を見たい場合に向いています。社内で作り続けたい場合は、何を撮るかの型をお渡しする内製化支援(月額8万円〜)もあります。
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2026年9月24日 公開

