現場職の求人を出しても応募が来ないときは、求人票を全部書き直す前に「どこで止まっているか」を順番に確かめます。見られていない、比べられて外されている、応募しにくい、応募のあとに取りこぼしている。止まっている場所によって、打ち手はまったく変わります。建設・設備管理(ビル管理・建物管理)・清掃・警備・運送などの現場職(ブルーカラー職・技能職)の求人を想定して、見直す順番とチェックリストをまとめます。
応募が来ないとき、何から見直せばいいですか?
「求人が見られているか」から見直します。次に「比べられて外されていないか」、その次に「応募しにくくないか」、最後に「応募のあとに取りこぼしていないか」の順です。上の段階で止まっているのに下の段階を直しても、応募(エントリー)は増えません。
当社(株式会社OneTrack・東京都渋谷区)は、ビルメンテナンス・ビル管理業界を中心に現場職の採用動画を制作している映像制作会社です。ただ、このページでは動画の話をいちばん最後に回します。応募が来ない原因の多くは、動画より手前にあるからです。
| 段階 | 確かめること | 止まっていたら |
|---|---|---|
| 1. 見られているか | 求人媒体の管理画面の表示回数・閲覧数 | 職種名・勤務地の書き方と、出している媒体を見直す |
| 2. 比べられて残るか | 閲覧数に対して、応募が極端に少なくないか | 仕事内容・給与・休日・資格の書き方を見直す |
| 3. 応募しやすいか | 応募フォームの途中離脱、電話しか窓口がない | 応募の手間を減らし、「見学だけ」の入口をつくる |
| 4. 取りこぼしていないか | 応募から最初の連絡・面接までの日数、面接前の辞退 | 連絡の速さと、面接日程の出し方を直す |
閲覧数が分からない出し方(ハローワークだけ、紙の求人誌だけなど)では、1と2を分けて測れません。その場合は、下のチェックリストを上から順に当てていきます。
求人はそもそも見られていますか?
見られていない求人は、中身をどれだけ直しても応募が来ません。最初に確かめるのは表示回数と閲覧数です。表示が少ないなら、原因は求人票の中身ではなく、探され方と出し方にあります。
職種名は、求職者が検索する言葉になっていますか?
職種名は、求職者が実際に検索する一般的な言葉で書きます。求職者は「設備管理」「ビル管理」「電気工事」「施設警備」「ドライバー」のような言葉で探します。社内の呼び方や「技術職」「総合職」だけの職種名では、検索に当たりにくくなります。
勤務地の書き方で、候補から外れていませんか?
外れていることがあります。現場職の求職者は、通える範囲で探すからです。「都内各所」とだけ書くと、自分が通える場所か判断できません。主な現場のエリア、最寄り駅、直行直帰の有無、車通勤の可否まで書くと、検索条件にも当たりやすくなります。
出している媒体は、狙う層が見ている場所ですか?
媒体ごとに、見ている層は違います。若手を狙うのか、経験者を狙うのか、地元の人を狙うのかで、出す場所を変えます。媒体の種類と使い分けはハローワークだけでは採れないときの次の一手にまとめています。
求人票の中身で、比べられて外されていませんか?
見られているのに応募がないなら、比べられた段階で外されています。求職者は同じ職種の求人を何件も並べて見ます。判断の材料が足りない求人は、条件が同じでも後回しにされます。次の6つを確かめてください。
- 仕事内容 … 1日の流れ、担当する建物や現場の種類、1人作業か複数人かを書いているか
- 給与 … 月給の幅だけでなく、手当の内訳と、入社1年目のモデル月収を書いているか
- 休日と勤務 … 年間休日、夜勤・宿直の回数、残業時間の実績を書いているか
- 資格 … 「必須」と「入社後に取得」を分けて書いているか
- 未経験 … 最初の数か月、誰がどう教えるかを書いているか
- 写真 … 人が写っていて、働いている最中の写真か
書き方の工夫で埋まるのは、情報の不足までです。給与や休日が地域の相場から明確に外れている場合は、書き方では埋まりません。先に条件の見直しが必要です。給与で不利なときの考え方は大手より給与が低い中小企業が採用で勝つ方法に書いています。
応募のハードルが高すぎませんか?
求人票を読んで「いいな」と思っても、応募の手間が大きいとそこで止まります。スマートフォンから応募する人を前提に、入口を軽くします。
- 応募フォームの入力項目を、最初は名前と連絡先だけにできないか
- 履歴書の提出を、面接の段階まで遅らせられないか
- 電話だけでなく、フォームやメッセージでも応募できるか
- 「まずは見学だけ」「話を聞くだけ」の入口があるか
- 面接の日時に、平日の夕方以降や土曜日の選択肢があるか
なかでも「見学だけ」の入口は、現場職と相性の良い方法です。いきなり応募するのは不安でも、職場を見るだけなら動ける人がいます。在職中の人は平日の日中に動けないことが多いので、面接や見学の時間帯を広げるだけで応募しやすくなります。
応募のあと、取りこぼしていませんか?
応募は来ているのに採用につながらないなら、応募から面接までの対応を疑います。求職者は複数の会社に同時に応募していることが多く、先に連絡が来た会社から話が進むからです。
| 場面 | 目安 | よくある取りこぼし |
|---|---|---|
| 応募の受付連絡 | 当日中 | 担当者が現場に出ていて、数日気づかない |
| 面接日程の提示 | 最初の連絡で候補日を複数出す | 「ご都合を教えてください」と聞き、往復が増える |
| 面接の実施 | 応募から1週間前後 | 決裁者の予定待ちで、数週間空く |
| 結果の連絡 | 面接から数日以内 | 返事を待つあいだに、他社の内定が先に出る |
この目安は、取りこぼしを減らすための運用の目安で、法律や統計の基準ではありません。採用担当が現場と兼務している会社では、応募の通知を複数人が受け取る設定にするだけで、気づくのが遅れる事故を防げます。
求人票では伝わらない部分は、どう見せますか?
写真・職場見学・動画の3つで補います。仕事の中身、職場の雰囲気、夜勤の実態は、文字だけでは伝わりにくい部分です。求人票の「夜勤あり(月4回)」という一行からは、その夜に何をするのかが分かりません。
- 写真 … 人が写っていて、働いている最中の写真に差し替える。条件は応募につながる写真の4条件にまとめています
- 職場見学 … 実際に来てもらう。いちばん確かですが、来てくれる人の数には限りがあります
- 動画 … 求人動画・採用動画(リクルート動画・採用PR動画)で、1日の流れや現場の空気を見せる。見学に来られない人にも届きます
当社は動画を作る会社ですが、動画から始めることは勧めていません。上の4段階のどこかで止まっているなら、そこを直すほうが先で、費用もかかりません。動画が効くのは、求人が見られていて条件も相場並みなのに、仕事の中身が想像されずに応募まで進まないときです。
形式は、出勤から退勤までを追う1日密着が、仕事の中身を伝えやすい形です。当社が現場職47社の採用動画317本の再生数を数えたところ、密着形式74本の中央値は2,306回、それ以外の243本は403回でした。ただし再生数は応募数ではないので、形式を選ぶ材料の1つとして見てください。費用は撮影1日30万円〜で、内訳は採用動画の費用にまとめています。
よくある質問
Q. 求人を出して何週間たっても応募がゼロです。まず何をすればいいですか?
A. 媒体の管理画面で、表示回数と閲覧数を確認してください。表示が少ないなら職種名・勤務地・出している媒体を、閲覧はあるのに応募がないなら仕事内容・給与・休日の書き方を見直します。止まっている段階が分からないまま求人票を全部書き直すと、どこが効いたのかも分からなくなります。
Q. 給与を上げれば応募は来ますか?
A. 地域の相場から明確に低い場合は、上げるのがいちばん早い手です。相場並みなのに応募がない場合は、仕事内容・休日・教え方といった給与以外の情報が足りず、比べた段階で外されている可能性があります。その場合は給与を上げる前に、書いていない情報を足してください。
Q. 応募はあるのに、面接に来てもらえません。
A. 応募から最初の連絡までの時間を確かめてください。求職者は複数社に同時に応募していることが多く、連絡が遅い会社から候補を外されます。当日中に受付の連絡をし、その連絡の中で面接の候補日を複数出すと、やりとりの往復が減ります。
Q. 採用動画を作れば、応募は増えますか?
A. 増えるのは、求人が見られていて条件も相場並みなのに、仕事の中身が想像されていないときです。求人が表示されていない、条件が相場から外れている、応募後の連絡が遅いといった場合は、動画より先にそちらを直すほうが早く効きます。
Q. 未経験者の応募を増やすには、どこを直せばいいですか?
A. 資格の「必須」と「入社後に取得」を分け、最初の数か月で誰が何をどう教えるかを書いてください。資格名が前に出ていると、未経験者は「自分には無理だ」と読んで応募しません。
関連:若手の設備技術者が採用できない原因と打ち手・採用動画を作ったのに応募数が変わらないとき
2026年9月24日 公開

