若手の設備技術者(設備管理・ビル管理・建物管理の技術者、電気・空調・給排水など建物の保守を担う人)が採れない原因は、「若い人がいない」だけではありません。求人の出し方が、経験者に向けた書き方のままになっていることがよくあります。仕事が外から見えない、資格が入口を狭く見せている、若手のいる場所に求人が届いていない。原因ごとの打ち手を、求人票・採用経路・面接の順にまとめます。
若手の設備技術者が採用できないのはなぜですか?
仕事が外から見えないこと、資格が入口を狭く見せていること、若手のいる場所に求人が届いていないことの3つが重なっているケースが多いです。設備管理の仕事は、建物の裏側で動いているため、学生や20代の求職者が仕事の様子を目にする機会がほとんどありません。見たことのない仕事は、仕事選びの候補にすら上がりません。
当社(株式会社OneTrack・東京都渋谷区)は、ビルメンテナンス・ビル管理業界に特化して採用動画を制作している映像制作会社です。このページでは、動画より先に手を打てる求人票・採用経路・面接の話から順に書きます。
原因ごとの打ち手は何ですか?
原因は、求人に表れている症状から見分けられます。当てはまる行から手を打ってください。
| 原因 | 求人で起きていること | 打ち手 |
|---|---|---|
| 仕事が見えない | 仕事内容が「ビル設備の保守・点検」の一行だけ | 1日の流れ、扱う設備、建物の種類を書く。見学を用意する |
| 資格が壁になる | 応募条件の先頭に資格名が並んでいる | 「必須」と「入社後に取得」を分け、取得の支援を具体的に書く |
| 求人が届いていない | 経験者向けの媒体にだけ出している | 学校・職業訓練・若手向けの経路を足す |
| 不安に答えていない | 夜勤・宿直や一人勤務の説明がない | 回数・拘束時間・仮眠の環境・相談相手を書く |
| 年上ばかりに見える | 写真や社員の声がベテランだけ | 年の近い社員と、教える人を見せる |
| 条件で負けている | 初任給や休日が地域の相場より明確に低い | 書き方ではなく、条件そのものを先に見直す |
いちばん下の行に当てはまる場合は、ほかの打ち手の効きが弱くなります。条件の考え方は大手より給与が低い中小企業が採用で勝つ方法にまとめています。
資格を「必須」にしていませんか?
若手を採りたいなら、資格は入社後に取るものとして書くのが基本です。第二種電気工事士、二級ボイラー技士、第三種冷凍機械責任者、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)などの資格名が応募条件の先頭にあると、持っていない若手は「自分には無理だ」と読んで応募しません。
入社後に資格の取得を支援していても、求人票でそれが伝わっていなければ、ないのと同じです。次のように書き分けます。
- 「必須」「あれば歓迎」「入社後に取得」を分けて書く
- 入社後、最初の1〜2年でどの資格をどの順番で取るかを書く
- 受験料や講習費を会社が負担するか、資格手当の有無と金額を書く
- 入社してから資格を取った社員がいれば、その例を書く
一方で、電気主任技術者のように配置が必要な資格者をすぐに採りたい場合は、若手の求人とは分けて、経験者向けの求人として出します。1つの求人で両方を狙うと、どちらにも響かない書き方になります。
若手はどこで仕事を探していますか?
若手の探し方は、年齢と経歴で分かれます。経験者向けの求人媒体にだけ出していると、若手の目には入りません。
- 高校生 … 学校とハローワークを通して求人を出す決まりがあり、求人票の公開や応募・選考の開始日が毎年決められています。日付は年度ごとに管轄のハローワークで確認してください
- 専門学校・工業系の学校の学生 … 学校への求人票の送付、学内の説明会、職場見学の受け入れ
- 公共職業訓練の受講者 … 電気・設備系の訓練コースを持つ訓練施設への求人、見学の受け入れ
- 20代の未経験の転職者 … 求人検索エンジン、若手向けの求人媒体、SNS。前職を問わない書き方にする
- 社員の知り合い … 社員紹介(リファラル採用)。若手社員の同級生や元同僚
経路の種類と費用の形はハローワークだけでは採れないときの次の一手に一覧にしています。経路を足すときは、応募を受けたあとの連絡体制も一緒に整えてください。
若手が入社前に不安に思うことに答えていますか?
設備管理の仕事で若手からよく挙がる不安は、夜勤・宿直、一人で対応できるのか、誰が教えてくれるのかの3つです。求人票と面接で、次の問いに答えられるようにしておきます。
- 夜勤・宿直はどのくらいか → 月の回数、1回の拘束時間、仮眠の時間と場所
- 一人で対応するのか → 何年目ごろから一人勤務になるか、トラブル時に誰へ連絡するか
- 誰が教えるのか → 教育係の有無、最初の3か月の流れ
- この先どうなるのか → 資格を取ったあとの役割、給与の上がり方の例
- 年の近い人はいるか → 年齢構成、若手社員の声
求人票に書き切れない部分は、面接と職場見学で見せます。特に宿直の仮眠環境は、文字で説明するより実際に見てもらうほうが早く伝わります。
仕事の中身を若手に見せるには、どうすればいいですか?
職場見学・短時間の仕事体験・動画の3つがあります。いちばん確かなのは職場見学ですが、来てくれる人数に限りがあり、学校の授業期間や在職中の人の都合にも左右されます。
動画は、見学に来られない人に仕事の中身を届ける手段です。当社が作っているのはこの部分で、中央監視室での監視、機械室の点検、夜間の巡回など、外から見る機会のない場面を、若手社員の1日に沿って見せる1日密着や、扱う設備を職種ごとに見せる仕事紹介の求人動画(採用ムービー)が向いています。夜勤の撮り方は夜間の撮影にまとめています。費用は撮影1日30万円〜です(費用の内訳)。
ただし、初任給が相場より明確に低い、夜勤の回数が多すぎるといった条件の問題は、動画では埋まりません。その場合は動画を作る前に、条件の見直しを先にお勧めしています。
よくある質問
Q. 経験者と未経験の若手、どちらを狙うべきですか?
A. 1つの求人で両方を狙わないことをお勧めします。経験のある技術者は扱う建物や設備で判断し、未経験の若手は教え方と働き方で判断するため、求人票に書くべきことが違います。求人を分けて、それぞれに合わせて書いてください。
Q. 資格手当を増やせば、若手は来ますか?
A. 資格手当は資格を取ったあとの話なので、未経験の若手には響きにくいことがあります。若手には「入社後に誰が、どう教えて、いつまでに何を取るか」を先に見せるほうが伝わります。
Q. 高校生を採用したいのですが、何から始めればいいですか?
A. 管轄のハローワークで、高卒求人の手続きとその年度のスケジュールを確認してください。高校新卒の求人は学校とハローワークを通す決まりがあり、求人票の公開日や選考の開始日が決められています。そのうえで求人票を送る学校を決め、学校訪問や職場見学の受け入れを準備します。
Q. 若手が入っても、すぐに辞めてしまいます。
A. 入社前の想像と実際のずれを減らすことが先です。夜勤や一人勤務の実態を求人票と面接で具体的に伝え、入社後の教え方を決めておきます。採用段階でできることは、定着率の記事にまとめています。
Q. 設備管理の仕事の魅力は、何を伝えればいいですか?
A. 「社会を支える仕事」のような抽象的な言葉より、どんな建物で、どんな設備を、どんな手順で扱うのかを具体的に見せてください。仕事の中身が想像できると、若手は自分がそこで働く姿を思い浮かべられます。
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2026年9月24日 公開

