Subsidy

-補助金と動画制作-

補助金で作れる動画・
作れない動画

補助金 助成金 動画制作費

2026.09.23

「補助金で動画を作れますか」と聞かれることが増えました。答えは「作る動画の種類による」です。同じ制作費でも、通る動画と通らない動画がはっきり分かれています。
しかも制度の側が「自社で作った動画は対象外」と定めているため、補助金を使うなら外注が条件になります。何が対象で何が対象外か、公募要領の書かれ方で整理します。

早見表:作れる動画・作れない動画(※1・※2)

動画の種類補助金根拠
商品・サービスの宣伝動画対象持続化補助金の広報費に「商品・サービスの宣伝のための画像や動画作成」
自社サイト・ECに載せる販売用の動画対象同・ウェブサイト関連費に「商品・サービスを販売するための画像や動画作成費用」
展示会で流す製品紹介動画対象市場開拓助成事業の販売促進費に「動画制作費」
採用動画・求人動画対象外「求人広告」を名指しで対象外と明記
会社紹介だけの動画対象外「単なる会社のPRや営業活動に活用される広報費は補助対象外」
社内向けの研修動画対象外人材開発支援助成金は「繰り返し活用できる教材 学習ビデオ等」を対象外と明記

境目は「売る商品が特定できるか」

対象・対象外を分けているのは、動画の見た目でも長さでも金額でもありません。その動画が「何を売るための動画か」を説明できるかどうかです。

通る書き方通らない書き方
新製品◯◯の特長を伝え、展示会来場者からの引き合いを増やす会社の認知度を高める
ECサイトの商品ページに置き、購入率を上げる会社の雰囲気を伝える
サービス◯◯の使い方を見せ、問い合わせにつなげる社員の魅力を発信する

右側は、動画としては正しい企画です。ただし補助金の目的が「販路開拓」なので、この書き方だと制度の外に出ます。採用動画が対象外なのも同じ理由です。人を採ることは販路開拓ではありません。

採用動画の費用を軽くしたい場合は、採用動画に助成金は使えるのかに、国の制度をひとつずつ当たった結果をまとめています。

補助金を使うなら外注が条件になる

見落とされやすい点です。制度の側が、自社で作った動画を対象外としています。

東京都中小企業振興公社のFAQには、自社内で作成したチラシや動画、webサイト等の費用は対象外と書かれています。外部業者に委託した経費のみが対象で、実績報告では契約ごとにデザイン版下や画像データなどの成果物を提出します。

つまり、「社内で撮って編集すれば安く済む」という選択と、補助金を使う選択は両立しません。どちらが得かは、補助率と自社の工数で決まります。

自社制作外注+補助金
費用機材費と人件費制作費の1/3〜1/2が自己負担(補助率2/3の場合)
補助金使えない使える
手間撮影・編集を自社で申請書類と実績報告
入金後払い(いったん全額立替)

使える制度と、それぞれの上限

制度動画の扱い上限申請時期
小規模事業者持続化補助金広報費/ウェブサイト関連費(各30万円・単独申請不可)50万円
補助率2/3
第20回:2026年11月5日〜12月15日
市場開拓助成事業
(東京都)
販売促進費に「動画制作費」(単独申請不可)300万円
助成率1/2
令和8年度は終了。認定が前提
ものづくり補助金広告宣伝・販売促進費は海外市場開拓(輸出)の事業のみ枠による次回公募は未公表
デジタル化・AI導入補助金2026
(旧 IT導入補助金)
対象外。登録されたITツールの導入費用に限定され、動画制作費の区分がない

いちばん現実的なのは持続化補助金です。上限は小さいものの、認定や計画承認が前提になっておらず、いま公募が動いています。

申請の段取り(着手前が原則)

補助金は着手前の申請が原則です。契約や発注を済ませたあとの経費は対象外になります。順番を間違えると、制度そのものが使えなくなります。

  1. 地区を確認する — 持続化補助金は商工会地区と商工会議所地区で事務局が別です
  2. 窓口に相談する — 事業支援計画書(様式4)は商工会・商工会議所に発行してもらう書類です。第20回は2026年12月4日が発行の受付締切
  3. 見積もりを取る — 経費区分が説明できる形の見積書が要ります
  4. 申請する — 第20回の締切は2026年12月15日17時
  5. 採択後に発注する — ここで初めて制作に入ります
  6. 実績報告 — 経理書類と成果物を提出して、精算払いを受けます

制作会社に声をかけるのは3番からで構いませんが、1・2番を先に済ませてください。窓口が混む時期に駆け込むと、書類が間に合いません。

当社で作れる動画

当社(株式会社OneTrack・東京都渋谷区)は、ビルメンテナンス業界の採用動画を中心にしてきた制作会社ですが、販路開拓・製品PRの動画も制作しています。補助金の対象になるのは後者です。

案件種別
三井不動産ビルマネジメント株式会社様ブランディングムービー(1分2秒)。TVCMとしても使用
合同会社AccompaU様PR動画
日本語オンラインスクール合同会社様会社紹介動画
つつじのさと内科医院様プロモーションビデオ(3分10秒)
AIセキュリティ株式会社様対談動画

費用は撮影1日30万円〜、撮影2日以上・複数拠点は80万円〜です。

当社は申請の代行をしません。申請は事業者ご自身と商工会・商工会議所、または認定支援機関の領分だからです。採択を保証することもできません。できるのは、経費区分が説明できる形の見積書を出すことと、実績報告で必要になる成果物をお渡しすることです。見積書の見方は見積書の読み方にまとめています。

よくある質問

Q. 採用動画は本当に対象外ですか?

A. 対象外です。持続化補助金の公募要領は「会社案内パンフレット作成・求人広告」を名指しで対象外としています。制作会社のサイトで「採用動画にも使えます」と書かれていることがありますが、公募要領の記載とは食い違っています。

Q. 商品紹介と採用を1本にまとめれば通りますか?

A. おすすめしません。実績報告では成果物を提出するため、中身を見られます。採用パートが混ざっていると、経費の切り分けを説明できずに差し戻される可能性があります。目的ごとに分けて作るほうが確実です。

Q. 社内で撮影して編集だけ外注する場合は?

A. 外部委託した部分が対象になりますが、自社内で作成した費用は対象外です。どこまでが委託かを契約書と成果物で示せる形にしておく必要があります。

Q. 補助金が下りる前提で発注してもいいですか?

A. おすすめしません。補助金は採択審査があり、後払いの精算払いです。不採択なら全額が自己負担になります。補助金なしでも成立する予算で組んでおき、下りたら楽になるという考え方が安全です。

Q. どの制度が一番使いやすいですか?

A. 小規模事業者持続化補助金です。認定や計画承認が前提になっておらず、第20回の公募がいま動いています(2026年11月5日〜12月15日)。詳細は持続化補助金は動画制作に使えるのかにまとめています。

この記事の注釈

※1 本記事は2026年9月23日時点で公開されている公募要領・公式FAQに基づいています。補助金・助成金は公募回ごとに要件が変わります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。

※2 「対象」と書いた経費も、対象になるかどうかの最終判断は事務局および審査によります。当社を含む制作会社が可否を判断・保証することはできません。

※3 補助率・上限額は枠や特例の適用によって変わります。表に記載した数値は通常枠を前提としたものです。

※4 補助金は着手前の申請が原則で、後払いの精算払いです。採択されなかった場合は全額が自己負担になります。

2026年9月23日 公開