ビルメンテナンスの会社が採用動画を作ろうとして、いちばん多く止まるのがここです。
「現場は客先の建物なので撮れない」と結論を出して、動画自体をやめてしまう。ただ実際には、許可を出せる相手は撮る場所で決まっていて、しかも許可が要らない画だけで1本を成立させる組み方があります。このページは、当社が撮影日を組むときに先方と確認している順番を、そのまま書いたものです。
許可を出せるのは、誰か(撮る場所で決まります)
「誰に聞けばいいか分からない」で止まる会社が多いのですが、許可を出せる相手は撮る場所で決まります。貴社の立場(自社物件か、受託している現場か)と、映るもの(建物か、人か)で分けると次の表になります。
| 撮る場所 | 許可を出せるのは | 実務 |
|---|---|---|
| 自社の事務所・倉庫・資材置き場・研修室 | 貴社 | 社内の決裁だけで済みます。もっとも早く撮れる場所です |
| 自社が賃借しているビル・テナント区画 | 建物のオーナー、管理会社・管理組合 | 撮影の可否は賃貸借契約書ではなく、管理規約や館内ルールに書かれていることが多いです。管理会社の窓口に「共用部を映すか」を添えて聞きます |
| 受託して常駐・巡回している客先の建物 | 施主(発注元)。多くはオーナーまたはPM・BM会社を通す | 貴社と施主の関係で決まります。現場の所長から施主の担当者へ、施主から建物側へ、の順で上げるのが通常のルートです |
| テナントの専有部(オフィス内・店舗内) | 建物側に加えて、そのテナントの責任者 | 建物の許可だけでは足りません。専有部が映る画は最初から外すほうが早いです |
| 機械室・電気室・防災センター・中央監視室 | 施主または管理会社(セキュリティ部門を通すことが多い) | 設備の配置や監視画面が映る場所なので、許可が出ても「映してはいけないもの」の指定がつきます |
| ビルの外観・エントランス・敷地の境界付近 | 建物側。公道にかかる場合は所轄警察署(道路使用許可) | 三脚を公道に立てるかどうかで変わります。手持ちで短時間なら不要なことが多いですが、建物側には伝えておきます |
| 通行人・利用者・他社の社員が映る | 本人 | 同意を取るより、その方を映さない画作りにするほうが早いです |
業務報告と広報では、許可の扱いが変わります。清掃前後の記録や点検の報告写真は、契約の範囲で撮影が認められていることが多いのですが、採用動画や採用サイトは「社外に公開する広報目的」なので、同じ場所でも別の承諾が要ります。「報告書用にいつも撮っているから大丈夫」は、ここでは通りません。
申請の順番と、書く7項目
客先の建物で撮る場合、申請は次の順番で上がります。撮影日の3〜4週間前には動き始めてください。施主から建物側への確認に時間がかかることがあります。
- 貴社の現場責任者(所長・マネージャー)が、撮りたい場所と内容を整理する
- 施主(発注元)の担当者に、下の7項目を書いた1枚を渡す
- 施主から、建物のオーナーまたは管理会社へ確認が上がる
- 「撮影申請書」「撮影一時使用申込書」といった建物側の様式があれば、それに転記して提出する
- 許可の条件(映してはいけないもの・立入禁止の区画・時間帯)を書面で受け取る
申請に書く項目は、次の7つです。これが揃っていると、施主の担当者が建物側に説明しやすくなり、往復が減ります。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| ① 目的・用途 | 自社の採用動画・採用サイトに掲載(社外公開)。取材ではなく、自社社員の仕事風景の撮影 |
| ② 日時・所要時間 | ◯月◯日 9:00〜17:00。うち機械室は30分程度。開館前・夜間作業の時間帯があれば明記 |
| ③ 場所 | 機械室・屋上・エントランス(共用部)。テナント専有部には入らない |
| ④ 映る人 | 自社社員◯名のみ。テナント関係者・利用者・通行人は映さない画作りにする |
| ⑤ 撮影体制と機材 | 制作会社2名(ディレクター・カメラ)。カメラ1台、小型照明1台。三脚は共用部では使わない |
| ⑥ 映さないもの | 建物名・所在地が分かる表示、監視画面、鍵・入館証、図面、顧客名の入った掲示物、防犯カメラの位置 |
| ⑦ 安全対策と公開前確認 | 作業手順は変えない。保護具は着用のまま。公開前に完成した動画を施主に確認いただく |
⑦の「公開前に確認いただく」を最初から書いておくと、許可が下りやすくなります。建物側が心配しているのは撮影そのものより、「何が世に出るか分からない」ことだからです。
映してはいけないもの
許可が出ても、条件がつきます。撮ってから消すより、撮らないほうが確実です。当社は撮影前日までに、次を先方と一緒に決めます。
- 建物を特定できる表示。館名板、所在地の表示、テナント一覧板、特徴的な外観(許可の範囲で判断)
- セキュリティに関わるもの。鍵の保管庫、入館証、防犯カメラの位置、監視画面、配電盤の系統図
- 顧客・テナントの情報。顧客名の入った掲示物、図面、作業指示書、点検表の社名欄
- 人。テナントの社員、利用者、通行人。同意を取るより映さない画にします
- 個人が特定できるもの。社員の名札、氏名の入ったロッカー、車のナンバー
「映してはいけないもの」が多い現場ほど、手元・工具・配管まわりのカットが主役になります。人物や看板が映らないこれらの画は、許可の条件に触れにくく、しかもビルメンテナンスの仕事の中身がいちばん伝わる画でもあります。
許可が取れないとき、許可の要らない画で1本を組む
客先の建物で許可が下りないことは、珍しくありません。それでも採用動画は作れます。許可が要らない画だけで1本を成立させる設計にすればよいからです。当社は次の3つで組みます。
| 撮る場所 | 撮れるもの |
|---|---|
| ① 自社の事務所・倉庫・資材置き場 | 社員インタビュー、朝の準備、道具の手入れ、資材の積み込み、事務所での打ち合わせ |
| ② 自社の行事 | 社員研修、安全大会、朝礼、資格の勉強会。会社の空気がもっとも出る場面です |
| ③ 手元・工具・配管まわりだけのカット | 点検の手元、計器を読む目線、工具を選ぶ手、配管やダクトの接写。人物や看板が映らない画 |
この3つだけで、社員インタビューも仕事紹介も会社紹介も成立します。「客先に入れないから動画は無理」と結論を出す前に、一度この形で組めないか検討してみてください。実際、現場に入れないという理由だけで動画を諦めている会社は少なくありません。
自社が管理を受託している建物が1つでもあれば、そこが第一候補です。施主との関係が長い現場ほど許可は下りやすく、映る建物も貴社の仕事そのものです。全部の現場で許可を取る必要はなく、1拠点あれば1日の撮影は組めます。
当社が許可取りでやること・やらないこと
はっきり書いておきます。客先の建物での撮影許可について、当社から施主や建物側に交渉することはありません。貴社と施主の関係で決まる話で、外部の制作会社が間に入って良くなることがないためです。
当社がお手伝いするのは、その手前と後ろです。
- 申請に書く7項目の1枚を作ります。撮る場所・時間・体制・映さないものを当社側で書き、貴社から施主に渡していただきます
- 許可の条件に合わせて画を組み直します。「機械室は不可」「外観は不可」と条件がついたら、その条件で成立するカット割りに変えます
- 許可が要らない画だけで1本を組む設計をします。上の3つの組み方です
- 公開前の確認用に、完成した動画を施主に見せられる形でお渡しします
撮影はディレクターとカメラの2名で伺い、撮影1日30万円〜です。許可取りの往復が増えても、撮影日が1日なら金額は変わりません。
現場で撮るとき、ほかに気をつけること
許可が取れた後、現場の撮影で差が出るのは機材ではなく段取りです。当社が最初に詰めるのは次の4点です。
- 安全が最優先です。撮影のために作業の手順を変えていただくことはしません。良い画より、いつもどおりであることを優先します
- 音を確認します。設備の稼働音でインタビューが録れない場所があります。静かな部屋を1つ確保していただけると、当日の進行が早くなります
- 保護具は着けたまま撮ります。ヘルメットや安全帯を外して撮ると、その画は結局使えません。顔が見えにくくなる分は、別カットで補います
- 現場全体を止めません。朝・昼・夕方に短い中断が入るだけで、それ以外の時間は普段どおり動いていただき、横から撮ります。出演される方の拘束は合計1時間ほどです
撮影当日に会社側で準備することと、1日で撮れるもの・撮れないものは、採用サイトの写真と採用動画は1回の撮影でまとめて撮れるのかにまとめています。
よくある質問
Q. ビルメンテナンスの現場で撮影するとき、許可はどこに取ればいいですか?
A. 撮る場所で決まります。自社の事務所や倉庫なら社内の決裁だけで済みます。自社が賃借しているビルなら建物のオーナーまたは管理会社・管理組合で、可否は賃貸借契約書ではなく管理規約に書かれていることが多いです。受託して常駐・巡回している客先の建物なら施主(発注元)で、現場の所長から施主の担当者へ、施主から建物側へ上げるのが通常のルートです。テナントの専有部が映る場合は建物側に加えてそのテナントの責任者、通行人や他社の社員が映る場合は本人の同意が要りますが、その方を映さない画作りにするほうが早いです。
Q. 撮影許可の申請には、何を書けばいいですか?
A. 目的・用途(採用動画・採用サイトへの掲載で社外公開)、日時と所要時間、場所(共用部か、専有部に入らないか)、映る人(自社社員のみ)、撮影体制と機材(制作会社2名・カメラ1台・三脚の使用)、映さないもの(建物名・監視画面・鍵・図面・顧客名の入った掲示物)、安全対策と公開前確認、の7項目です。公開前に完成した動画を施主に確認いただくと最初から書いておくと、許可が下りやすくなります。撮影日の3〜4週間前には動き始めてください。
Q. 客先の建物で撮影許可が取れないとき、採用動画は作れますか?
A. 作れます。許可が要らない画だけで1本を成立させる設計にします。自社の事務所・倉庫・資材置き場での撮影、社員研修・安全大会・朝礼といった自社の行事、手元・工具・配管まわりだけのカット(人物や看板が映らない画)の3つで、社員インタビューも仕事紹介も会社紹介も組めます。自社が管理を受託している建物が1つでもあればそこが第一候補で、1拠点あれば1日の撮影は組めます。
Q. 制作会社は、撮影許可を代わりに取ってくれますか?
A. 当社(株式会社OneTrack)は、客先の建物での撮影許可について施主や建物側に交渉することはありません。貴社と施主の関係で決まる話で、外部の制作会社が間に入って良くなることがないためです。代わりに、申請に書く7項目の1枚を作る、許可の条件に合わせてカット割りを組み直す、許可が要らない画だけで1本を組む設計をする、公開前の確認用に動画を施主に見せられる形で渡す、の4つをお手伝いします。
Q. ビルメンテナンスの現場で映してはいけないものは何ですか?
A. 建物を特定できる表示(館名板・所在地・テナント一覧板)、セキュリティに関わるもの(鍵の保管庫・入館証・防犯カメラの位置・監視画面・配電盤の系統図)、顧客やテナントの情報(顧客名の入った掲示物・図面・作業指示書)、テナントの社員や利用者や通行人、個人が特定できるもの(名札・氏名入りのロッカー・車のナンバー)です。撮ってから消すより撮らないほうが確実なので、撮影前日までに先方と一緒に決めます。
Q. 現場で働く社員を撮るとき、気をつけることは何ですか?
A. 安全を最優先し、撮影のために作業手順を変えないこと、設備の稼働音でインタビューが録れない場所があるので静かな部屋を1つ確保すること、ヘルメットや安全帯などの保護具は着けたまま撮ること、現場全体を止めず朝・昼・夕方に短い中断を入れるだけで横から撮ることの4点です。出演する社員の拘束は合計1時間ほどです。
このページは、何にもとづいて書いていますか?
本ページは、当社がビルメンテナンス・ビル管理の会社の撮影日を組むときに、先方と確認している順番と項目にもとづく整理です。許可の要否や様式は建物ごとに異なり、施主や管理会社の規約が優先します。当社の料金(撮影1日30万円〜、2名体制。2026年9月時点)は料金のページと同じです。
本ページは撮影許可の一般的な考え方を整理したもので、個別の建物での撮影の可否を保証するものではありません。公道での撮影や個人情報の扱いについては、所轄の警察署や個人情報保護委員会の案内を確認してください。
どこなら撮れるかを、先に一緒に確かめます
自社の拠点と受託先の状況を伺えれば、許可が要る場所と要らない場所を分けて、1日で撮れる画の組み方をお出しします。許可が取れる前の段階でのご相談で構いません。
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