介護施設の動画に利用者さんの顔を出すときは、公開する前に、どの動画をどこに載せるかを本人に示して同意を得ます。厚生労働省の「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」では、顔の画像や映像・音声も、個人を識別できれば個人情報にあたるとされています。このページでは、ガイダンスとQ&A事例集の記載を、介護施設の動画づくりの手順に置き換えて整理します。
利用者さんの顔を動画に出すとき、同意はどう取ればいいですか?
介護施設の動画に利用者さんの顔を出すときは、公開する前に、どの動画をどこに載せるかを本人に示して同意を得ます。厚生労働省のQ&A事例集(Q4-15)では、行事などの利用者の写真をホームページや機関誌に載せる場合や施設内に展示する場合、個人を識別できる写真は個人情報にあたり、原則として本人の同意が必要と整理されています。動画も、顔や声で誰か分かるものは同じ考え方になります。
同意の方法について、法令に決まった書式はありません。ガイダンスでは、口頭・書面・メール・確認欄へのチェックなどが同意の例として挙げられています。ただし動画は長く残り、あとから「載せてほしくない」と言われたときの確認が大切なので、書面に残しておく施設が多くなっています。
同意書には、何を書いておけばいいですか?
「動画に映ってもよいか」だけでは、何に同意したのかが後から分かりません。次の5つを1枚に書いておくと、本人・ご家族・職員の間で食い違いが起きにくくなります。
| 書く項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 何の動画か | 施設紹介・職員の採用・行事の記録など、目的を具体的に書く |
| どこに載せるか | 施設のホームページ・SNS・求人サイト・説明会・施設内のモニターなど、載せる場所を並べる |
| どう映るか | 顔が分かる/後ろ姿や手元だけ/声だけ、のどれか。名前を出すかどうか |
| いつまで載せるか | 公開の期間の目安と、期間が過ぎたあとの扱い |
| 取り下げの窓口 | あとから載せないでほしいと思ったときに、誰に言えばよいか |
同意は、撮る前と、編集が終わって公開する前の2回に分けて確かめると確実です。撮る前は「映ってもよいか」、公開する前は「この映り方で載せてよいか」を、できあがった映像を見てもらって確かめます。
認知症などで、本人の意思を確かめにくい場合はどうしますか?
ガイダンスでは、本人が判断できる能力を持っていない場合は、法定代理人などから同意を得る必要があるとされています。あわせて、本人の理解力や判断力に応じて、できる限り本人に知らせ、同意を得るよう努めることが大切だとも書かれています。
動画の場合は、ご家族の了解だけで決めず、本人が嫌がっている様子がないかも職員が見て判断します。迷う場合は、その方は顔が分かる形では映さないと決めてしまうのがいちばん確実です。施設紹介や採用の動画は、職員を主役にすれば、利用者さんの顔が映らなくても成り立ちます。
ぼかしを入れれば、同意はいらなくなりますか?
ぼかしを入れても、同意がいらなくなるとは限りません。Q&A事例集では、顔写真に一定のマスキングをしても、他の情報と照らし合わせて誰か分かる場合は、全体として個人情報にあたると整理されています。施設の動画では、服装・車いす・居室の様子・声などで、職員やご家族には誰か分かってしまうことがあります。
そのため、顔を出さない方は「ぼかす」より「映さない」で撮影を組むほうが安全です。居室の表札、ケア記録、ホワイトボードの名前など、顔以外で個人が分かるものも、撮る前に一覧にして映さないようにします。
介護サービス情報公表制度に載せる写真とは、どう違いますか?
介護サービス情報公表制度は、介護サービス事業所の情報を都道府県が公表する仕組みです。施設がホームページやSNSで独自に出す動画は、この制度の公表とは別のものなので、利用者さんが映る場合は、上で書いた同意の考え方で施設が判断します。制度の内容は厚生労働省の介護サービスの情報公表制度のページをご覧ください。
撮影の当日に何をするかは介護施設の動画撮影で準備することに、費用は介護施設の動画制作の費用にまとめています。
よくある質問
Q. 介護施設の動画に利用者さんの顔を出すとき、同意はどう取ればいいですか?
A. 介護施設の動画に利用者さんの顔を出すときは、公開する前に、どの動画をどこに載せるかを本人に示して同意を得ます。個人を識別できる写真や映像は個人情報にあたり、ホームページなどで第三者に見せる場合は原則として本人の同意が必要です(厚生労働省のQ&A事例集 Q4-15)。何の動画か・どこに載せるか・どう映るか・いつまで載せるか・取り下げの窓口を書面に残しておくと確実です。
Q. 老人ホームのホームページやSNSに、利用者さんの写真や動画を載せてもいいですか?
A. 本人の同意を得れば載せられます。厚生労働省のQ&A事例集(Q4-15)では、個人を識別できる写真をホームページや機関誌に載せる場合や施設内に展示する場合は、原則として本人の同意が必要とされています。同意を得ていない方は、顔や名前が分からない形にするか、映さないようにします。
Q. 認知症の利用者さんが映る動画を公開するとき、気を付けることは何ですか?
A. 本人が判断できる能力を持っていない場合は、法定代理人などから同意を得る必要があります。あわせて、本人の理解力に応じてできる限り本人に知らせることが大切です。迷う場合は、その方は顔が分かる形では映さないと決めるのが確実です。
Q. ぼかしを入れれば、利用者さんの同意はいりませんか?
A. 同意がいらなくなるとは限りません。マスキングをしても、服装や声、居室の様子などと照らし合わせて誰か分かる場合は個人情報にあたります。顔を出さない方は、ぼかすより映さないで撮影を組むほうが安全です。
このページは、何にもとづいて書いていますか?
出典(2026年10月13日確認):個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/iryoukaigo_guidance//https://www.mhlw.go.jp/content/001470633.pdf)、「『医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス』に関するQ&A(事例集)」(https://www.mhlw.go.jp/content/001685013.pdf)A3-1・Q4-15、厚生労働省「介護サービスの情報公表制度」(https://www.mhlw.go.jp/stf/kaigo-kouhyou.html)。
このページは、ガイダンスとQ&Aの記載を介護施設の動画づくりに置き換えて整理したもので、法令の解釈を断言するものではありません。最終判断は、所管の窓口・専門家へご確認ください。
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